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山の音(1954)|感想・レビュー

 

監督: 成瀬巳喜男
 
出演:原節子 上原謙 山村聡
1954年/日本/95分
 

新文芸坐にて、『没後50年 名匠・成瀬巳喜男 戦後名作選』として『あにいもうと』との2本立てて鑑賞してきました。『山の音』は川端康成原作なので楽しみに観にいってきました。

 

原作にある、冒頭の山の音を聞くシーンはない。

あと、菊子が義父の信吾の昔好きだった人(なんなら妻の姉)に似ている描写もほぼ出てこない。けど、そういう気持ちでみるとそう見える。

ストーリーは、かなりものものしい映画。家族のどろどろな感じとか、水面下で巻き起こっている感じがすごい。

小津っぽい感じのショットもたくさん見られた。廊下や家屋の中の撮りかたって小津監督の独特なものなのかと思っていたのだけれど、この時代はよくこうやって撮るのだろうか?と混乱した。

成瀬監督は、力強い女性を描くのを得意としているらしいけど、ここに出てくる人たちは、『あにいもうと』に出てくるような女性たちはでてこない。

 

信吾の美しさに対する潔癖(フサ子を可愛くないからと可愛がらないけど、美しい兄嫁を可愛がるところとか)というか、客観的な美への視点は人を傷つけるものだが、理解できるような気がした。

 夫・修一のダメ男ぶりもなかなか。それによって健気な菊子が際立っている。私は、始終、修一にイライラしたけれど。

愛人の友人が、信吾に「別居すれば自然と別れると思います」という。彼女は、信吾と菊子の関係性に口を出す事も出来ず不満に思っていると理解していたのかもしれない。

また、自分の祖父母時代の世の中。こんな感じの世の中の雰囲気だったのかもしれない、という目で見てしまった。女性に対する考え方とかも、今と違っていることが多くあって、考えさせられる。

 

とにかく原節子がお美しい。着ているものも、どのシーンも可愛くて良かった。

最初に自転車を押して義父の信吾と歩いているシーンのスカートと、最後の新宿御苑シーンのコートが特にかわいい。

よく行く新宿御苑が最後のシーンに出てきて、興味深かった。昔の新宿御苑。フランス庭園あたりなのだろう。

 

 

印象的なシーンとしては、能面をもらってくるんだけれど、能面の表情の変化がすごい。初めて分かった能面の魅力。

少し上を向けたり、下に向けたりして、見るものなのか。勉強になるなと。

能面の表情のはかなさは、とても美しかった。

 

 あと川端康成、ぜんぜん生きてるよね、この時代。とか。

小説は、半分くらい読んでやめてしまっていたので。この映画をみて、もう一度読んでみようと思った。

成瀬監督は、川端康成原作の『舞姫』『山の音』、室生犀星原作の『あにいもうと』『杏っ子』といった純文学作品を撮っているのでそこら辺から観ていきたい。

 

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2019.3.15 新文芸坐にて。